軽薄短小(けいはくたんしょう)
→ 電気製品などが軽量、薄型、小型化すること。また、うすっぺらで中身がないという、精神面で使う場合もある。
家電から原子炉まで様々な分野を手がけている電気産業は自動車産業と並ぶ日本の基幹産業だといってもいい。
とはいえ、こんな話を聞いたことがあるという人もいるのではないだろうか。
韓国のSAMSUNG(サムスン)の売上高は、日本の大手メーカー8社合計の約半分に匹敵する。
また、営業利益に至っては、SAMSUNGは約3兆7,000億円で、8社合計の1兆7,472億円の3倍にも達するというものだ。
この話の中に出てくる日本の大手メーカー8社というのは、HITACHI、Panasonic、SONY、TOSHIBA、FUJITSU、MITSUBISHI、NEC、SHARPだ。
この社名を見て、SHARPはもはや台湾の鴻海(ホンハイ)の傘下に入っているので日本企業ではないという指摘をする人は、なかなか鋭い人だ。
上述したSAMSUNG(サムスン)の話は、約10年前の2011〜2014年あたりの話だからである。
勘違いして欲しくないのは、この10年間で日本の大手メーカーが盛り返しているかというと、全然そんなことはなく、むしろ差が開いていると思った方がいい。
2020年の家電業界の世界シェア
2020年度の家電メーカー各社の売上高を分子に、2020年の世界市場規模を2,900億ドル(約30兆7,400億円)を分母にして、割り出したシェアは下記のとおりだ。
- SAMSUNG(サムスン):14.8%(韓国)
- LG:10.9%(韓国)
- Haier:10.8%(中国)
- Panasonic:7.3%(日本)
- Whirlpool(ワールプール):6.2%(アメリカ)
- 美的集団:6.2%(中国)
- BOSCH(ボッシュ):5.7%(ドイツ)
- Electrolux(エレクトロラックス):4.8%(スウェーデン)
- SHARP:3.8%
- Groupe SEB(グループセブ):2.9%(フランス)
- Dyson(ダイソン):2.6%(シンガポール)
- Hisense(ハイセンス):2.3%(中国)
- PHILIPS(フィリップス):2.2%(オランダ)
- Miele & Cie(ミーレ・アンド・シー):1.9%(ドイツ)
- Arçelik(アルチェリク):1.7%(トルコ)
- HITACHI:1.5%(日本)
日本では大手メーカーと呼ばれている企業がせめて2社くらいは入るランキングをということで紹介したが、世界シェアを見るとこんな感じだ。
こうやって見るとアジアで圧倒的な存在感を示しているのが韓国勢だということがわかる。
2020〜2021年の日本の家電業界売上高ランキング
日本では家電といっても2つのカテゴリに分類されている。
聞いたことがある人も多いと思うが、一般的には白物家電と黒物家電にわけられている。
白物家電
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- エアコン
- 炊飯器
普及し始めた時期に白い製品が多かったために、白物家電といわれるわけだが、日常生活に必要な家電のことをいう。
一方で、普及し始めた時期に黒い商品が多かったものが、黒物家電といわれている。
黒物家電
- テレビ
- オーディオ
- パソコン
- ゲーム機
黒物家電は、趣味や娯楽で利用されることが多いので、娯楽家電ともいわれている。
ちなみに減価償却の法定耐用年数として、白物家電は6年、黒物家電は4年となっているので、このあたりも覚えておくといいだろう。
ということで、2020〜2021年の家電メーカー(事業部別)売上ランキングは下記のとおりだ。
- Panasonic(くらし事業本部):2兆2,944億円
- SONY (エレクトロニクスプロダクト事業部):1兆9,028億円
- MITSUBISHI(家庭電気事業部):1兆383億円
- SHARP(スマートライフ事業):8,799億円
- HITACHI(生活・エコシステム事業):4,563億円
- FUJITSU(空調機事業部):2,332億円
- アイリスオーヤマ:2,185億円
- OMRON(HCB事業部):1,230億円
- YAMAZEN(家庭機器事業部):1,033億円
- CORONA:821億円
各メーカーのトピックス
Panasonic
まず、第1位のPanasonicのくらし事業本部(旧アプライアンス事業部)で、売上高は2兆2,944億円となっている。
これは、Panasonic全体の売上高としては6兆6,988億円なので、全体の約35%を家電を提供している事業部が占めているということになる。
ちなみにセグメント別売上は下記のとおりだ。
- くらし事業部(旧アプライアンス):2兆4,944億円
- ライフソリューションズ:1兆5,073億円
- コネクティッドソリューションズ:8,182億円
- オートモーティブ:1兆3,394億円
- インダストリアルソリューションズ:1兆2,555億円
SHARP
次に第4位のSHARPに注目してみる。
スマートライフ事業事業部は2019〜2020年の前年に比べて売上を伸ばし、8,799億円となっている。
SHARPのブランド別事業体は下記のとおりだ。
- スマートライフ事業部
- 8Kエコシステム事業部
- ICT事業部
さらにデバイス事業部は2つにわかれている。
- ディスプレイデバイス
- エレクトロニックデバイス
もはや日本企業ではなく、台湾の鴻海に買収されてからは好調で、決算でも売上高と各利益は前年を上回り、経常利益は170%と大幅な増益を達成している。
アイリスオーヤマ
7位にランクインしている、アイリスオーヤマも前年の売上高を上回っている。
売上高でも114%、経常利益で105%と前年比を上回っており、2022年は2,494億円を見込んでいる。
アイリスオーヤマ単体としては、マスクの販売が26億枚、AI搭載のサーマルカメラを展開し、家電では電気圧力鍋などの調理家電やインテリア家電関連の販売も好調だ。
2022年1月の発表によると、冷蔵庫やエアコンなどの大型家電の商品開発を強化し、グループ全体で1兆円を超える目標を掲げている。
ただし、このアイリスオーヤマについては、個人的にはかなり否定的な企業であることに変わりはない。
その理由としては、なんちゃってIoTデバイスを出していることが、日本国内の家電レベルを一気に下げていることを拡めている企業だからだ。
このことについては、stak, Inc. のCEOとして、もっと影響力をつけてからしっかりと書かせてもらおうと思っている。
まとめ
グローバル企業と日本の大手メーカーとの差がどれくらい開いているのか、参考になったと思う。
日本企業の衰退をニュースで見かけることがずっと続いているわけだが、実態はまさにそのとおりなのである。
ただ、私はモノづくりは本物の企業にしかできないことで、その部分が企業の本当の価値になると考えている。
だからこそ、スタートアップであるstak, Inc. が無謀にもモノづくりをベースとしたビジネスモデルを構築しようと必死になっているわけだが、真の意味でのモノづくりは誰もを幸せにすることができる。
一方で、くり返しになるが、大した技術力もアイデアもない中途半端なモノづくりしかしていないのに、日本国内でシェアを伸ばしている企業もある。
これはモノづくりでもなんでもなく、情弱からお金を絞り取っているだけのなんちゃってモノづくりをしているにすぎない。
ワクワクするような、スゴいと思わせるような商品が出せない企業は、モノづくり企業だと謳って欲しくない。
日本のメーカーが世界中で遅れを取っているのは、技術力がないからではなく、英語力がないからでもなく、ただただ人々を魅了する商品を出せていないからだ。
何者でもない私が、何者かになるための武器としてモノづくりは絶対的な価値を与えてくれるだろう。
それをしっかり証明していこうと思っている。
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