群疑満腹(ぐんぎまんぷく)
→ 心が多くの疑いでいっぱいになっていること。
多くの疑いでいっぱいになることが続くと、メンタルをやられてしまう人も増える。
その先にあるものは自ら命を絶ってしまうという最悪の選択だ。
こういったセンシティブなジャンルのことを書くことは極力避けているのだが、タイトルを見て思いついたことが自殺のことだったので、調べてみることにした。
死亡数および死亡率の推移
2020年のデータをもとにまとめた過去記事があるので、こちらを参照にして欲しい。
2020年(令和2年)の死亡数は137万2,648人で、前年の138万1,093人より8,445人減少したという状況だ。
そして、2020年(令和2年)の死亡数を死因順位別にみると下記のとおりだ。
- 悪性新生物(腫瘍):37万8,356 人
- 心疾患(高血圧性を除く):20万5,518 人
- 老衰:13万2,435人
- 脳血管疾患:10万2,956人
ここから、年齢別死因にカテゴリを掘り下げていくと、男女ともに10代〜40代までに悪性新生物(腫瘍)と同時に自殺という死因が並列するのである。
少子高齢化が進んでいるので、死亡数の多くは高齢者に偏るのは理解できるだろう。
一方で若年層であっても当然死亡という事実はあることなのだが、死因に自殺が登場するのが特徴的なのである。
参考までに、2022年2月に厚生労働省が2021年の死者数の発表をしている。
その発表によると、死者数は145万2,289人で、前年比で6万7,745人増えた。
死者数が増えるのは2年ぶりで、戦後最多となったということだ。
日本の自殺の現実
日本の自殺者数が世界的にも多いということは聞いたことがあるという人も多いのではないだろうか。
厚生労働省、警察庁のデータを見ると、1998年(平成10年)〜2011年(平成23年)の14年間の年間自殺者は30,000人を超えている。
この背景にはバブル崩壊やリーマンショックといった出来事が大きいといわれているが、30,000人以上が自殺するという高止まりの時代があったわけだ。
その時代によくいわれていたのが、日本では毎日90人もの人たちが自殺で亡くなっている。
自殺未遂者は既遂者の10倍はいるといわれており、毎日1,000人もが自殺を図っているということだ。
また、2007年(平成19年)の交通事故死者数はおよそ5,800人だったので、自殺者数はその5倍以上にのぼった。
この事実から、交通戦争といわれた1960年代から70年代と比べても、はるかに多くの人たちが自殺で亡くなったという事実がある。
それから、イラク戦争で亡くなったアメリカ兵がおよそ3,500人(2003年3月~2007年5月)だったこともあり、その10倍の人が自ら命を絶っているという表現もされた。
1人の自殺、あるいは自殺未遂に対して、その周囲にいる5~6人以上が深刻な心理的影響を受けるといわれている。
このことから、自殺未遂を含めた自殺者数が年間30万人いるということは、日本では毎年200万人を超える人たちが自殺による深刻な影響を受けていることになるといわれていた。
そして、日本の自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)はアメリカの2倍、イギリスの3倍で、先進国の中では群を抜いて高い状態にあるという高止まりの時代だ。
その後、2021年(令和3年)の状況は少々変化が起きている。
2021年(令和3年)中における自殺の概況
警察庁の自殺統計をもとに厚生労働省がまとめた2021年の全国の自殺者数は、2020年より74人(0.4%)少ない2万1,007人だった。
人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は、0.1人増の16.8人となった。
その原因動機別では、健康問題が9,860人で全体の47%を占め最多で、経済生活問題が3,376人、家庭問題3,200人と続いている。
性別に見てみると、男性は前年比116人減の1万3,939人で12年連続の減少。
一方、女性は同42人増の7,068人と2年連続の増加しており、コロナ禍の長期化で雇用など先行きへの不安が心理的な負担になっているとみられる。
男性の自殺者数は、女性の約2.0倍となっている。
年代別では20代が前年比90人増の2,611人、50代が193人増の3,618人と増加。
小中高生の自殺者数は473人で、2020年に次ぐ過去2番目の多さだった。
月別の自殺者数は、3月が最も多く2,012人、12月が最も少なく1,567人だった。
都道府県別の自殺死亡率は、青森と山梨がそれぞれ23.7人、新潟21.3人、和歌山21.1人、高知20.5人が20人超となっている。
反対に神奈川、石川が13.2人で最も少なく、東京は16.3人だった。
2022年(令和4年)の実態について
警察庁の最新データから2022年4月までの速報値を読み取ることができる。
- 2022年1月:1,673人(男性:1,120人、女性:553人)
- 2022年2月:1,474人(男性:1,002人、女性:472人)
- 2022年3月:1,914人(男性:1,295人、女性:619人)
- 2022年4月:1,692人(男性:1,149人、女性:543人)
2021年と比較すると、下記のとおりだ。
- 2021年1月:1,755人
- 2021年2月:1,700人
- 2021年3月:2,012人
- 2021年4月:1,854人
このデータを比較すると、2021年に比べると2022年は自殺者が減少傾向にあることがわかる。
もっと詳しく知りたいという人もいると思うので、参考データを下記のとおり紹介しておこう。
(出典:厚生労働省自殺対策推進室、警察庁生活安全局生活安全企画課)
まとめ
自殺の原因は単純ではないだろう。
ただ、いわれているのは重度なうつ病だったりという人たちよりも、軽度なうつ病などメンタルに影響がある状態の方が危ないといわれている。
お酒を飲んだ後などに、ふとした行動で自殺してしまうといった傾向が多いという。
昨日まで元気そうだったのにという人が、急に命を絶ってしまうということだ。
あまり話すべきことではないかもしれないが、私にもお世話になった人が飛び降り自殺をしたという経験がある。
私がまだ幼い頃、両親が共働きだったこともあり、熱を出したときなどに預けられている場所があった。
私の幼い頃の記憶はそのあたりから始まることが多いのだが、いろいろと鮮明に覚えていることがある。
その家の間取りだったり、料理が好きだった預け先のおばさんがお菓子を作っている姿、お婆ちゃんも同居していたのだが、そのお婆ちゃんの容姿などだ。
料理が本当に上手で、その姿を見ていると妙に落ち着いた記憶がある。
そのおばさんが作るクッキーや焼き菓子が本当に好きだった。
そんなおばさんが、私が大学生のときに飛び降り自殺をしたということを母親から聞いたときは、とてもショックを受けた。
理由は同居していた、お婆ちゃんのアルツハイマー的なものが悪化したことによる負担が大きくかかっていたことのようだ。
もちろん、本人から理由を聞けるはずもないので真意はわからないが、とにかくショックだったことは事実だ。
年齢からしても、まだまだ十分に健康で生きていられる歳だ。
今でもふと思うことがある。
今の私の姿を見てもらいたい、たまには会って他愛のない話をしたい。
それがもうできないのは残念だが、私は必死に生き抜いていこうと決めている。
【Twitterのフォローをお願いします】