金石之交(きんせきのまじわり)
→ 堅く変わることのない友情のたとえ。
なかなか遠方の友人や親族ですら会えない状況になってから、はや数年が経とうとしている。
実際に会えなくてもその絆は不変かも知れないが、やはり閉塞感があることは否めないだろう。
少しずつ隔離なしで海外からの受け入れを増やしたり、移動がしやすくなっているが、刷り込まれた自粛という概念を払拭するにはまだ時間がかかりそうだ。
沈みゆく日本が再び世界で脚光を浴びるためには、観光業を盛り上げる必要があることは何度も述べている。
それは、広島という地方都市を拠点とし、東京や大阪といった大都市に出張することも多いので、両方からの目線を持てるのは私自身の強みだと思っている。
2022年のGWは、3年振りのなんの制限もない大型連休となった。
そもそも、大型連休を作って、そのタイミングで旅行したり帰省したりすることを推奨するつもりはないが、観光業が盛り上がることは本当に必要だと感じている。
その観光業には世界で最もクオリティの高いといっても過言ではない、外食産業と抱き合わせでというイメージだ。
いずれにせよ、観光業を盛り上げるためには長く滞在させないといけない。
となると、ホテルや旅館が礎となるわけで、2022年現在の状況についてまとめてみた。
日本全国の宿泊施設数の推移
2021年10月現在の日本全国の宿泊施設数は54,772施設、部屋数は1,694,230室となった。
2020年1月時点では、全国の宿泊施設数は51,987施設、部屋数は1,625,219室だった。
このことから、宿泊施設数は2,785施設(5.36%)、部屋数は69,011室(4.25%)増加していることがわかる。
カテゴリ別に見ると下記のとおりだ。
ビジネスホテル
- 2020年1月時点:8,416施設(753,961室)
- 2021年10月時点:8,791施設(820,697室)
375施設(66,736室)の増加なので、8.85%の増加率ということになる。
旅館
- 2020年1月時点:14,050施設(243,853室)
- 2021年10月時点:13,829施設(241,498室)
221施設(2,355室)の減少なので、0.97%の減少率ということになる。
シティホテル
- 2020年1月時点:1,179施設(191,549室)
- 2021年10月時点:1,188施設(194,185室)
9施設(2,636室)の増加なので、1.38%の増加率ということになる。
リゾートホテル
- 2020年1月時点:1,576施設(120,259室)
- 2021年10月時点:1,650施設(125,954室)
74施設(5,695室)の増加なので、4.74%の増加率ということになる。
ということで、旅館以外の宿泊施設はコロナ禍でも増加傾向にあることがわかる。
ビジネスホテルとシティホテルの違い
上記で分別したビジネスホテルとシティホテルの違いがいまいちわからないという人が案外いる。
単純に宿泊料金が安いのがビジネスホテルで高いのがシティホテルだと思っている人も多いのではないだろうか。
確かに極端にいってしまえば、その理解でも問題ないのだが、もう少し明確に知っておいた方がいいかもしれない。
とはいえ、大前提として明確な線引はないことも書いておこう。
その上で、ビジネスホテルとシティホテルの違いを書くとすれば、機能面に差があるということになる。
ビジネスホテルは、その名のとおりビジネストリップ、つまり出張で使われることを前提に作られたホテルのことを指す。
サービスやアメニティを最小限に抑え、宿泊することだけに特化しているため、宿泊料が必然的にリーズナブルになるというビジネスモデルだ。
一方で、シティホテルは、様々な目的での利用を想定した都心で快適に過ごすためのホテルのことをいう。
レストランやバーはもちろん、フィットネスジムやスパ、エステなどが充実しているのが特徴で、その結果、宿泊料金も比較的高額になるというビジネスモデルだ。
比較をまとめると下記のとおりとなる。
ビジネスホテルの特徴
- 利用目的:ビジネストリップ(出張)
- 立地:駅前や繁華街などの交通の便が良い場所
- 客室:シングルルームがメインで客室面積が狭い
- テナント:朝食会場としてのスペースがあるのみ
- 宿泊料金:安い
宿泊客はビジネスマンが中心のため、客室でも仕事がしやすいようシングルルームが基本だ。
くり返しになるが、宿泊に特化したホテルのため、アメニティやサービスは最低限となっている。
また、スタッフは様々な仕事を少人数でこなすため、部署の垣根を越えてホテル全体のことを把握している傾向がある。
シティホテルの特徴
- 利用目的:ビジネス、レジャー、観光などさまざま
- 立地:夜景が見える都心などの眺望の良い場所
- 客室:シングル、ダブル、ツインルームなど幅広く、客室面積が広い
- テナント:高級レストラン、バー、フィットネスジム、プール、スパ、エステなどが併設
- 宿泊料金:高い
1人から家族連れまで客層は様々で、その目的は都心で優雅にステイすることだ。
滞在することが目的の人も多いため、夜景が綺麗に見えるなど眺望の良いロケーションにあり、レストランからプールまでバラエティ豊かな設備を備えているのがシティホテルの特徴だ。
スイートルームもある大型ホテルであることが多く、従業員の人数も多い。
ホテル全体のことを把握するというよりは、役割分担をして各部署で連携をとりあって働く傾向がある。
上述したが、シティホテルの最大の特徴は、サービスが充実していることだ。
プールやスパが併設されていて、複数のレストランがあるシティホテルも多い。
大きで優雅なエントランスやフロントがあり、ドアマンがいてコンシェルジュサービスやバトラーサービスがあるのも特徴である。
ホテルのランクについて
実は、ビジネスホテル、シティホテルという分類は日本独自の概念で、国際的には5つのランクがホテルの分類として一般的に使われている。
- ラグジュアリー(最高級)
- ハイエンド(高級)
- ミドル(中級)
- エコノミー(普通)
- バジェット(低料金)
ラグジュアリー、ハイエンドにあたるホテルは、客室単価が50,000円を超えることも当たり前で、ホテルの中でも最上級ランクだ。
日本では御三家と呼ばれる、帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ホテルニューオータニが代表的なラグジュアリーランクだ。
リッツカールトンホテル、ザ・ペニンシュラホテル、ヒルトンホテル、フォーシーズンズといえば名前を聞いたことがあるホテルが1つはあるだろう。
このあたりが最上級ランクだと理解すればいい。
ミドルにランクされるホテルは、いわゆる鉄道会社が運営する都市部のホテルだと思えばいい。
京王プラザホテル、東急ホテルをイメージすればわかりやすいだろう。
エコノミー以下のホテルが、日本でいうところのビジネスホテルとイコールだという理解でおおよそ間違っていないだろう。
ちなみに、バジェット御三家と呼ばれるホテルが、東横イン、ルートイン、APAホテルだ。
まとめ
2022年もGWを迎え、はや残り半年に近づいてきている。
冒頭に書いたが、海外からの入国規制も少しずつ緩和されているが、まだまだ3,000万人以上の外国人を受け入れていた頃に比べると宿泊施設には閑古鳥が鳴いている。
個人的には日本の観光業は1億人以上の外国人を呼べるポテンシャルが十分にあると思っているし、そうならないといけないと思っている。
このこともチラホラ書いているが、私もはやく海外へ行きたいところなので、移動ができるようになったらすぐに行こうと思っている国がある。
その件については、もう少し後で書くとしよう。
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