奇想天外(きそうてんがい)
→ 思いもよらないような、珍しいこと。
世の中は常に様々なブームが起きる。
思いもよらないようなものが売れたり、珍しいサービスが流行ったりするので不思議だと感じたことはないだろうか。
ただ、そんなブームを仕掛けている人がいることも忘れてはならない。
わかりやすいのがファッション業界だろう。
ファッション業界のトレンド
一般的にファッション業界の流行の周期は、20年だといわれている。
ファッションの流行は情報を発信する側の人たちが、予め今年はこれをトレンドにすると決めている。
そしてトレンドにしたファッションは、テレビや雑誌といったメディアでくり返し紹介されるわけだ。
今の時代はSNSが最も主力なメディアとなり露出を高めていくことで、消費者をある意味で洗脳していくというビジネスモデルである。
そして、今年はこれをトレンドにすると誰が決めているかというと、会社で仕事の決定権を持ち始める30代から40代の社員が中心となる。
となると、30代から40代の人が10代や20代前半の青春時代に自分が求めていたファッションを現代風にアレンジして商品を生み出すという流れになりがちだ。
つまり、およそ20年前に流行っていたファッションが新たな流行のベースになるというわけだ。
また、ブームを起こさせるターゲットは10代半ばの若い世代だ。
となると、若者にとって真新しいものと感じさせる必要がある。
そのため、若い世代が実際に見たことがないものである必要があるという意味でも、20年前に流行していたファッションは、ちょうど良いものになるといわれている。
サウナブーム特集
それから、2022年3月時点でのブームといえば、間違いなくサウナだろう。
ととのう(整う)というワードが市民権を得るようになる中、様々な記事が登場しているので、一気に紹介していこう。
(出典:Forbes)
まさに、今の時代を象徴するような記事だが、温浴施設やサウナ施設に三密の環境が多いのは事実だ。
サウナ室は構造上、換気は非常に制限されているし、サウナ室、浴槽、脱衣所は広さに制約があるところが多く、対人距離が取りづらいからである。
また、新型コロナウイルスとサウナの関係については、様々な報告がある。
サウナの高温多湿では、感染リスクが低下するといったもの、56℃(30分間感染力あり)、70℃(5分間感染力あり)でもウイルスは完全には死滅しない可能性があるといった両極端なものだ。
それから、発症前およそ3日前より感染性を持つことも示唆されており、ウイルス感染との向き合い方が重要だというのである。
ということで、提唱されているのか下記だ。
- 入退館時に必ず手を洗う
- 館内では可能な限りマスクを着用する
- 手で顔を触らず、触れる場合は手を石鹸で洗ってから
- 対人距離を2m以上保ち、施設が混んでいたら利用を控える
- 会話は必要最低限にしてなるべく控える。
- 不特定多数が触れる部分への接触は必要最低限にする
- 荷物は受付などに預けず自分で管理
- なるべく現金での支払いを避け、接触を必要としない方法で支払う
- 痰切りは控え、咳やくしゃみをする際にはタオル等で口を覆う
- 高齢者、基礎疾患がある人、治療中の人は高リスクなので要注意
といった10ヶ条なのだが、もはやどこでも同じようなことを聞く新しいものではいのが、時代を象徴していると感じた次第だ。
(出典:Forbes)
こちらも現代を象徴している記事で、完全個室のフィンランド式サウナといった謳い文句でオープンしたお店もあるというものだ。
また、ソロサウナというバズワードを狙っている感じもあり、キャンプの次のブームを仕掛けようとしている意図も感じられる。
(出典:Forbes)
うつ病を発症する人は、軽度のものから重度のものまで合わせると、年間約500万人にも及ぶといわれている。
さらに昨年からの新型コロナ禍による経済的な困窮や孤独感の増加などから、さらにうつ病リスクは高まっている。
そんな中、サウナはうつ病のリスクを軽減するというデータがあるという。
そのデータによると、週に4~7回サウナに入る人は、週に1回入る人よりも、78%うつ病にかかるリスクが低いとされているそうだ。
また、長年うつ病を患っていらっしゃって抗うつ薬が手放せない状態だった人が薬がなくても数日間は非常に調子良く過ごせるようになったという報告もある。
果たして、このエビデンスがあるのか不明だが、こういう健康系の話題がブームには欠かせないのは事実だ。
(出典:Forbes)
この記事の注目ワードは深部体温というものだ。
サウナの場合、ウェットサウナ(60℃)では1セット(15分)で0.8℃、ドライサウナ(90℃)では0.5℃、深部体温が上がるという。
また、深部体温という観点で見ると、風呂(40℃)15分では0.8℃、42℃では1.6℃、深部体温が上昇することが報告されている。
つまり、60℃の少しぬるいウェットサウナと40℃のお風呂は、同等の深部体温上昇効果があるということになる。
そして、42℃のお風呂は、60℃のウェットサウナ2セット分の深部体温上昇効果があるということだ。
ということで、下記の方程式が成り立つという。
41℃〜42℃のお風呂15分(炭酸系入浴剤併用)して、水シャワーを浴びる、その後休憩というルーティンでサウナと同様のととのえる(整える)効果が期待できるという内容である。
(出典:Forbes)
佐賀県武雄市にある御船山(みふねやま)楽園ホテルが、サウナを軸に事業を拡大し続け、経営危機からV字回復を遂げた。
全国の旅行客からも人気を集めるこのホテルは、国内の魅力的なサウナを選出して表彰する、サウナシュランというコンテストでは3年連続第1位を獲得している。
また、約1万施設のサウナが掲載されている検索サイトであるサウナイキタイでも上位に位置を占めている人気ぶりだ。
ホテルの中は、様々なととのう(整う)ための仕掛けがあり、サウナ好きは一度は訪れた方がいいだろう。
(出典:Forbes)
昭和平成時代のゴルフ行きませんかという仕事の付き合いの慣習が、もはやその令和時代版ともいえるサウナ行きませんかに変わっているという。
ビジネスシーンに急に台頭してきた、このサウナという文化はなぜなのか。
その理由は、サウナの平等性にあるという。
年上も年下も会長職も学生も平等に同じ熱を感じ、同じ水の冷たさを感じ、同じ外気でととのう。
また、基本的にそこまで高額なものではないので誰でもエントリーしやすく、そして上手い下手の概念が存在しない。
さらに、裸であることから心理的なバリアが取っ払われやすい。
加えて、ととのった状態は究極に頭がさえた状態になることでリピーターが続出しているのだと分析している。
まとめ
昨今のサウナブームについて触れてみたが、実際にサウナにハマっているという方の意見も是非参考にしてみたい。
いずれにせよ、大きな枠で捉えると健康というテーマへの意識が高くなっていることを感じる。
なによりも仕事のパフォーマンスを上げるという視点が加わりつつある世の中になっていくことは、とてもいい流れだと感じている。
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