国家資格の種類と難易度ランキング

国家資格の種類と難易度ランキング
蛍雪之功(けいせつのこう) → 苦労しながら学問に励むことや苦学した成果のことで、蛍雪は、ほたるの光と雪あかりのこと。

私の経歴を知っているという人は、その昔、弁理士を目指そうとしていたことがあることは知っているはずだ。

そして、なぜこだわっていた弁理士資格を取ることを簡単にやめたかも知っているだろう。

世の中には一定層、資格というものを重宝する人がいる。

その考え方を根本から否定するつもりはないが、資格を持っていれば安心とか、なにかあれば資格を取ろうとすることに向かおうとするのは遠回りだったりすることもある。

このあたりの議論については、また別の機会にでもすることにして、現在は見向きもしなくなった資格について、久々にどういった状況なのかを調べてみたくなった。

ということで、資格についてまとめてみようと思う。

今さら聞けない国家資格ってなぁに?

まず、国家資格というものがどういったものなのか、改めて明記していこう。

文部科学省のWebサイトによると、国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格のことをいう。

法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高いとされている。

国家資格の分類

国家資格は、法律で設けられている規制の種類により、次のように分類できる。

  • 業務独占資格:有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格
  • 名称独占資格:有資格者以外はその名称を名乗ることを認められていない資格
  • 設置義務資格:特定の事業を行う際に法律で設置が義務づけられている資格
  • 技能検定:業務知識や技能などを評価するもの

業務独占資格は弁護士、公認会計士、司法書士といった資格、名称独占資格は栄養士、保育士などが代表例だ。

また、国家資格を行う主体は国、地方公共団体、法律で指定された団体に分類される。

  • 国が行う試験(例:司法試験、管理栄養士、学芸員など)
  • 地方公共団体が行う試験(例:栄養士、職業訓練指導員など)
  • 法律で指定された団体が行う試験(例:技術士、衛生管理者など)

国家資格の難易度ランキング

上述した国家資格には当然、簡単なものもあれば難しいものもある。

ということで、独断と偏見で4つの難易度にわけた国家資格を紹介していこう。

司法試験予備試験(難易度:S)

司法試験は裁判官、検察官、弁護士になろうとする者に必要な学識及びその応用能力を備えているかどうかを判定する試験だ。

かつては、法科大学院課程における教育及び司法修習生の修習の連携として行われるものだった。

ところが、2011年(平成23年)から、法科大学院を修了していなくても司法試験を受験できるようにバイパス制度として開設されたのが、この司法試験予備試験だ。

そして、この予備試験は短答式試験、論文式試験、口述試験の3段階になっており、法律科目だけでなく一般教養科目の試験も実施される。

予備試験の合格者は、司法試験の受験資格を得ることができるというわけだ。

司法試験の全体を見たときに、予備試験はあくまで例外的措置であるため、合格者数はかなり絞り込まれることになる。

ということは、やはり司法試験を受ける場合には、法科大学院を修了するのが王道パターンだといえる。

とはいえ、くり返しになるが、予備試験は法科大学院を経由しない者にも法曹資格を取得する道を開くために設けられた試験だ。

ということで、法科大学院の学費が高価であることなどから、司法試験予備試験を目指す受験者も増加しているというわけだ。

そんな中、最近の傾向として注目されているのが、予備試験からの合格狙いだ。

これは法科大学院修了と同等の知識があるかどうかを測る国家試験で、合格すれば司法試験の受験資格が得られる。

これなら大学在学中に予備試験合格を果たせば司法試験受験資格が得られ、その上、合格率が法科大学院卒よりも良いというわけだ。

<合格率>

2021年度(令和3年度)司法試験予備試験結果:最終合格率3.99%

▼ 短答式試験:出願者数14,317名

受験者数11,717名

合格者数2,723名:合格率23.2%

▼ 論文試験:受験者数2,633名

採点対象者数2,619名

合格者数479名:合格率18.2%

▼ 最終(口述試験):受験予定者数479名

受験者数476名

合格者数467名:口述合格率98.1%

司法試験(難易度:S)

司法試験は裁判官、検察官、弁護士になるために必要な学識、およびその応用能力を判定することを目的とする国家試験だ。

合格すれば司法修習生となる資格を得ることができる。

2006年(平成18年)からは従来の司法試験の他に、法科大学院修了者を対象とした司法試験が行われるようになり、前者を旧司法試験、後者を新司法試験と呼ばれている。

また、2011年(平成23年)からは上述した司法試験予備試験が実施され、その合格者には司法試験(新司法試験)の受験資格が与えられる。

ちなみに、旧司法試験は同年の2011年を最後に廃止されている。

試験は以前は合格率3%ともいわれており、非常に狭き門であったが、新制度の導入により2010年の合格率は25%程度になり、昔よりはずいぶん広き門となっている。

法科大学院を修了しなくても、2011年から始まった予備試験を通過すれば受験資格を得られるが、受験回数は大学院修了や予備試験通過から5年以内に3回までと決められている。

<合格率>

2021年度(令和3年度)司法試験最終結果:41.5%

▼ 出願者数3,754名

▼ 受験者数3,424名:採点対象者数3,392名

▼ 短答式合格者数2,672名(合格率78.0%)

▼ 最終合格者数1,421名(最終合格率41.5%)

▼ 法科大学院課程修了の資格に基づく最終合格者:1,047名(73.7%)

▼ 司法試験予備試験合格の資格に基づく最終合格者:374名(26.3%)

国家公務員総合職(難易度:S)

2011年度(平成23年度)までの国家公務員一種に相当する試験で、公務員試験最難関ともいえる試験だ。

2012年度から国家公務員採用試験は、新しい試験制度に変わった。

旧の国家 I 種試験は総合職試験に、国家 II 種試験および国家 III 種試験は一般職試験(大卒程度試験・高卒者試験)に再編された。

また、現行の国税専門官採用試験や労働基準監督官採用試験などは新たに専門職試験として実施される。

従来の採用試験では、院卒者と大卒者は、Ⅰ種・Ⅱ種試験などの共通の試験を受験していた。

それが現在では、院卒者試験が創設されたことにより、法科大学院や公共政策大学院などの新たな人材が多く受験することが期待されている。

とはいえ、国家公務員試験の場合は卒業年度のみしか受験が有効でなく、二度受験しても採用はされないので、一生に一度しかチャンスがない。

そこが司法試験と大きく異なるところだということは知っておくといいだろう。

<合格率>

2021年度(令和3年度)国家公務員総合職(院・大卒)試験実施結果

国家総合職(院卒者) 最終結果

国家総合職(大卒者) 最終結果

公認会計士試験(難易度:S)

法人の財務書類の監査、証明を一手に引き受ける、財務のスペシャリストが公認会計士だ。

その業務としては監査、財務、経理、税務など仕事内容は多岐に渡り、会計に関する助言、立案および経営戦略の提案などのコンサルティング業務も多くなっている。

監査業務、税務業務、MAS(マネジメントアドバイザリーサービス=コンサルティング)業務が公認会計士の3大業務といわれている。

中でも企業の財務諸表に関する適正性を証明する監査業務は、公認会計士しか行えない独占業務だ。

高収入を狙えるが超難関の国家資格で独立する人も多い資格だ。

<合格率>

2021年度(令和3年度)公認会計士試験結果:9.6%

▼ 願書提出者:14,192名

▼ 短答式試験答案提出:9,524名

▼ 短答式試験合格者:2,060名

▼ 論文式試験受験者:3,992名

▼ 最終合格者数:1,360名

司法書士試験(難易度:S)

司法書士の業務については、司法書士法第3条で詳しく規定されているが、主な業務は登記申請の代理と訴訟代理業務だ。

法改正により法務大臣の認定を受けた司法書士は簡易裁判所に限り、弁護士と同様、訴訟代理業務を行うことができるようになった。

簡単にいうと、司法書士は人の権利を守る仕事で具体的な業務内容は下記のとおりだ。

上述した裁判所や検察庁、法務局などに提出する書類を作成し、登記手続きをするのが主な仕事だが、その他にも遺言や相続に関する相談や書類作成、代理業務、成年後見業務、供託業務などがある。

以前は、登記や供託などの書類作成業務や手続きの代理業務がメインだったが、2003年からは司法書士にも訴訟代理権が与えられた。

これにより、弁護士と同じように裁判業務ができるようになり業務に幅が出てきたというわけだ。

<合格率>

...(本文末尾は文字数の都合で省略)