世界の知られざる 190ヶ国の多様性

世界の知られざる 190ヶ国の多様性
忠君愛国(ちゅうくんあいこく) → 君に忠義を尽くし、国を愛すこと。

忠君愛国とは、君主に忠誠を尽くし、祖国を愛する心を指す言葉だ。

この概念は、古来より多くの国で重んじられてきた。

中国では、儒教の教えに基づき、君主への忠義と親への孝行が徳目とされた。

日本においても、武士道の精神性として根付き、主君への献身と国家への奉仕が求められた。

明治維新では、尊王攘夷の思想のもと、忠君愛国が国家の近代化を推し進める原動力となった。

日露戦争や第二次世界大戦でも、「お国のために」という言葉が兵士たちを突き動かした。

戦後は、平和憲法の理念に基づき、愛国心のあり方が問い直された。

しかし現代では、ナショナリズムの過熱が戦争を招くことへの反省から、忠君愛国はやや否定的に捉えられがちだ。

グローバル化が進む中、1つの国への絶対的な忠誠より、世界平和への貢献が求められている。

ただし、自国の文化や伝統を大切にする心は、他国への理解にもつながる。

世界には200近い国があり、それぞれに固有の価値観がある。

民族、言語、宗教、習慣など、多様性に富んだ地球社会を形作っている。

その多様な在り方を知ることは、新しい時代の忠君愛国の在り方を考えるヒントになるだろう。

自国の良さを認識すると同時に、他国の良さにも目を向ける。

そんな開かれた愛国心が、これからは必要なのかもしれない。

国連加盟国の数と内訳

2022年現在、国連に加盟している国と地域は193ある。

内訳は、主権国家が192、オブザーバー資格を持つバチカン市国が1だ。

国連加盟国の約4割が人口1,000万人未満の小国だ。

アジア地域が最多の48ヶ国、続いてアフリカが54ヶ国、ヨーロッパが44ヶ国、中南米が33ヶ国、北米が2ヶ国、オセアニアが12ヶ国となっている。

国家としての要件には諸説あるが、「一定の領土、永続的な住民、主権国家から独立した政府、他国と関係を持つ能力」の4点が国際法上の基準とされる。

ただし、これらの要件をすべて満たしていても、国連総会での投票により加盟が認められない場合がある。

逆に、要件を満たしていなくても、政治的な理由で加盟が認められることもある。

パレスチナは、イスラエルとの対立から国家承認をめぐる争いが続いている。

2012年に国連総会で「オブザーバー国家」の地位を得たが、常任理事国のアメリカが拒否権を行使し、正式加盟は実現していない。

国際社会における「国家」の定義は、法律的な側面だけでなく、政治的・歴史的な背景も色濃く反映されているのだ。

国連非加盟国も20以上ある。

台湾は、中国との関係から国連加盟を果たせずにいる。

北キプロスは、トルコ系住民が一方的に独立を宣言した地域だが、トルコ以外の国には承認されていない。

ソマリランドは、ソマリアからの事実上の独立を主張するが、国際的な承認は得られていない。

その他、プエルトリコ、西サハラ、コソボ、アブハジア、南オセチア、沿ドニエストルなども、独立をめぐる係争地となっている。

一方、イギリス領ジブラルタル、フランス領ニューカレドニア、アメリカ領グアムなどは、宗主国からの独立を望まない非自治地域だ。

住民投票で自治権の拡大を選択したり、現状維持を支持したりと、独立をめぐる意識はさまざまだ。

国連非加盟国の中には、独立を求める地域と、そうでない地域が混在しているのが実情だ。

知られざる国々の特徴

国連加盟国の中でも、日本人にはなじみの薄い国は少なくない。

太平洋の島嶼国、アフリカの内陸国、中央アジアの山岳国など、地理的に遠く、情報も入りにくい。

そんな知られざる国々の素顔に迫ってみよう。

例えばキリバスは、赤道直下の太平洋に点在する島嶼国だ。

3つの島群からなり、面積は811平方キロメートル。

日本の67分の1の面積に、茨城県の23分の1の人口が暮らしている。

国土のほとんどが標高5メートル以下の低地で、海抜1メートル未満の土地も全体の12.5%を占める。

気候変動による海面上昇が脅威で、21世紀中には国土の大部分が水没すると予測されている。

主な産業は漁業とコプラ生産で、観光業にも力を入れ始めた。

主食はココヤシ、タロイモ、パンノキだ。

ツバルも太平洋の島国で、9つの環礁からなる。

面積は26平方キロメートルで、新宿区とほぼ同じ。

人口は1万1,900人で、鳥取県の智頭町より少ない。

サンゴ礁が隆起してできた地形で、標高2メートル程度の低地が主だ。

キリバス同様、海面上昇による水没の危機が叫ばれる。

主な産業は漁業とコプラ生産だが、国民の多くが海外に出稼ぎに出ている。

主食はタロイモ、キャッサバ、ヤシだ。

アフリカの内陸国、ブルキナファソは、かつて仏領上ボルタと呼ばれた。

面積は274,000平方キロメートルで、日本の7割強。

人口は2,137万人(2021年)。

国土の大半がサバンナ気候で、乾季は11月から5月、雨季は6月から10月と、はっきりと分かれる。

最高気温は40度を超えることもあるが、雨季の平均気温は30度前後と過ごしやすい。

主な産業は農業で、綿花、ゴマ、落花生などを生産する。

鉱業ではマンガン、亜鉛、金の採掘が盛ん。

主食はソルガム、トウモロコシ、キャッサバだ。

同じくアフリカのジブチは、エチオピアとソマリアに挟まれた小国だ。

面積は23,200平方キロメートルで、四国4県とほぼ同じ。

人口は100万人(2022年)。

国土の大半が乾燥した火山性の土地で、標高1,000メートル前後の高原が広がる。

年間降水量は130ミリと少なく、わずかなオアシスが人々の生活を支える。

主な産業は貿易で、首都ジブチの港は東アフリカ有数の貿易拠点だ。

石油備蓄基地も整備され、エネルギー輸送のハブとなっている。

主食はソルガム、トウモロコシ、小麦だ。

中央アジアのキルギスは、天山山脈に囲まれた内陸国だ。

面積は199,900平方キロメートルで、日本の半分強。

人口は658万人(2022年)。

国土の大部分が標高1,500メートル以上の山岳地帯で、最高峰のヴィクトル・ピークは7,439メートルに達する。

夏は気温30度前後の暑さだが、冬は氷点下20度まで下がることもある。

主な産業は農業と牧畜で、羊や馬を放牧する遊牧が営まれてきた。

鉱業では金や石炭の採掘が盛んだ。

主食はパン、米、ジャガイモだ。

日本人渡航先の傾向

日本人の海外渡航先は、近隣のアジア諸国に集中している。

2019年の統計で、1位が中国の737万人、2位が韓国の558万人、3位が台湾の489万人、4位がタイの155万人、5位がアメリカの151万人だった。

上位5ヶ国で全体の7割以上を占める。

一方、太平洋の島嶼国への渡航者数は非常に少ない。

ツバルへの渡航者数は年間10人程度、キリバスは200人弱だ。

アフリカ諸国も軒並み1,000人に満たない。

ブルキナファソが年間200人程度、ジブチは50人以下だ。

中央アジアのキルギスも、1,000人に届かない。

日本から遠く、情報も少ない国々は、観光地としての認知度が低い。

ビジネス渡航の需要も乏しく、現地との人的交流が進みにくい。

ただし、国際協力の分野では、JICAを中心に、途上国支援のプロジェクトが展開されている。

キリバスでの防災対策、ブルキナファソでの教育支援、ジブチでの港湾整備など、日本の技術力を生かした取り組みが行われている。

新型コロナウイルスの影響で、2020年以降は海外渡航者数が激減した。

2020年の渡航者数は、前年比84%減の316万人まで落ち込んだ。

渡航先の内訳も変化し、アメリカ、中国、オーストラリア、シンガポール、タイの順になった。

ワクチン接種の普及により、徐々に渡航者数は回復してきているものの、コロナ前の水準には程遠い。

ポストコロナ時代の渡航先としては、自然や野生動物との触れ合いを求める傾向が強まるとみられる。

密の回避できる小国や、エコツーリズムに適した地域に注目が集まるかもしれない。

キリバスのサンゴ礁、ツバルのビーチ、ブルキナファソのサバンナ、キルギスの山岳など、手つかずの自然が残る国々の魅力が、再評価される可能性がある。

知られざる国の相関図

ここで紹介した10ヶ国を、日本からの距離、人口、面積、主食で分類してみよう。

まず日本からの距離では、8,000キロメートル以上離れた国が半数を占めた。

キリバス、ツバル、ブルキナファソ、ジブチ、キルギスの5ヶ国だ。

東京—ロンドン間の約1.5倍の距離がある。

一方、8,000キロメートル未満の国は、太平洋のパラオ、ナウル、オセアニアのトンガ、サモア、バヌアツの5ヶ国だった。

人口規模では、100万人未満の国が3ヶ国あった。

太平洋のツバル(1万1,900人)、パラオ(1万8,000人)、ナウル(1万2,600人)だ。

日本の市町村レベルの人口規模だ。

一方、100万人以上の国は7ヶ国で、ブルキナファソが最多の2,100万人だった。

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