【2023年】日本経済の動向について

事上磨錬(じじょうまれん) → 実践を通して、自分の技術や知識を磨き向上すること。
好景気という言葉は知っているが、実感がないというのが、日本人の大半なのではないだろうか。
バブルという言葉も知っているし、なんとなく先輩方からそんな時代があったということを聞いたこともあるくらいだという人も多いと思う。
それだけ、日本経済は停滞しているということになるという結論になってしまうのだが、最新の日本経済の動向について書いていこう。
2022年の日本経済統括
2022年の実質GDP
まず、2022年7〜9月期の実質GDPは前期比マイナス0.2%(年率マイナス0.8%)と、4四半期振りにマイナス成長の結果となった。
とはいえ、これは財貨やサービス輸入が海外企業への大口支払などにより大幅に増加したことが要因とされている。
日本国内における個人消費、設備投資、輸出も堅調で、内需は0.4%と四半期連続のプラスに推移しており、日本経済自体は緩やかな回復傾向にあるとの見方が強まっている。
ただし、地政学リスクによるエネルギー供給の抑制やドル高による輸入購買力の低下といった要因で物価高騰が起きていることから、個人消費に対する下振れ圧力の懸念もある。
日本株の動向
また、2022年の日本株は、前年度末の終値である28,791円を上回る場面が、1月5日の最高値29,388円以降では8月中旬時点でしか見られなかった。
値動きの上下幅が大きいものの、全体的な方向性としては低調傾向で横ばいという結果となった。
最も顕著な下落傾向を見せた時期は、2022年2〜3月の期間で、ロシアによるウクライナ侵攻が根本的な要因となったタイミングだ。
ウクライナを支援するNATO陣営に対して、ロシアがエネルギー供給を停止し、原油や天然ガスの値段が高騰したことで、世界的に急激な物価高騰が起きた。
また、その対策としてアメリカの中央銀行に当たるFRBが急激な利上げを断行したことで世界的な株価下落が起こり、日経平均株価もその余波を受けて低迷する形となった。
FRBによる利上げはドル高円安に作用し、輸出企業の業績を後押ししたことで、2022年7〜9月期は好決算の影響を受けて株高に振れた。
一方で、円安の影響がひと段落すると、株価は緩やかに下落に転じる結果となった。
さらに、2022年12月の日銀における金融政策決定会合において長期金利の変動許容幅、いわゆるイールドカーブコントロールを拡大する方針が発表された。
すると、市場からは実質の利上げと捉えられ、円高ドル安への懸念が膨らみ日経平均株価は下落し、最終的な終値は2021年末と比較してマイナス9.4%という結果となった。
内閣
岸田文雄首相は、2021年10月の内閣発足当初から2022年7月頃までは緩やかに支持率を上昇させていたが、その後は下降の一途を辿っている。
支持率下落の要因としては、物価高への対応が後手に回っている、旧統一教会と国会議員の関係に関する問題、防衛費増額の財源として増税を示唆した発言などが挙げられる。
2023年1月時点のNHKの世論調査によると、岸田内閣を支持すると答えた人は先月より3ポイント下がって33%に対して、支持しないと答えた人は1ポイント上がって45%だった。
支持するとした理由は、他の内閣より良さそうだからが44%、支持する政党の内閣だからが25%などがある。
一方で、支持しない理由は、政策に期待が持てないからが51%、実行力がないからが28%、支持する政党の内閣でないからが8%となった。
日銀の金融政策と景気判断
日本株のところでも少々触れたが、日銀は2022年12月19および20日にかけて開いた金融政策決定会合において、イールドカーブコントロールの運用見直しを行うことを決定した。
具体的には、10年物国債金利の許容変動幅を従来のプラスマイナス0.25%からプラスマイナス0.5%に拡大することになる。
日銀の発表では、海外金利の上昇圧力を受ける日本の債券市場の歪み、残存8、9年物国債よりも10年物金利が低いという部分を是正し、金融緩和の持続性を高めるとしている。
物価安定の目標実現を目指すための措置ということで、国債買入れを月間7.3兆円から9兆円程度に増額するなど、金融緩和の方針については継続する形を取っている。
一方で、2023年1月6日には新発の10年物国債がYCC上限の0.5%金利で取引が成立するなど、市場は変動幅上限のさらなる引き上げも見越した動きを見せている。
2022年度の下期においては、FRBによる利上げなどの影響でドル高傾向が強まり大幅な円安が進んでいた。
それが、今後の日銀の政策決定で変動幅上限が引き上げられれば、円高に向かう局面も想定されることになった。
総務省が2023年1月20日に公表した消費者物価指数によると、2022年12月の消費者物価は前年比4.0%(2022年11月:3.8%)となった。
上昇率が4.0%以上となるのは、第二次石油危機によって物価が高騰した1981年12月の4.0%以来の41年振りとなります。
また、通年での上昇率もコアCPIで前年比2.3%の上昇となり、消費税増税時を除いた比較では、1991年の2.9%以来の31年振りの高い水準だった。
エネルギーや食料など生活必需品目で値上がりが続いていて、品目別の上昇率をでは、エネルギー関連が15.2%で全体を押し上げる結果となった。
2022年11月の13.3%を上回り、15ヶ月連続で2桁の伸びとなり、都市ガス代は33.3%、電気代は21.3%上昇している。
2023年の日本経済の見通し
2022年12月21日内閣府発表の月例経済報告より、わが国経済の基調判断の要約してみた。
景気は、新型コロナウィルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きがみられるというのが概要だ。
- 個人消費は緩やかに持ち直している
- 個人消費は緩やかに持ち直している
- 設備投資は持ち直している
- 輸出は概ね横ばいとなっている
- 生産は持ち直しの動きに足踏みがみられる
- 企業収入は一部に弱さがみられるものの、総じてみれば改善している
- 企業の業況判断は持ち直しの動きがみられる
- 雇用情勢は持ち直している
というのが具体的な報告で、今後の政府経済政策の基本的態度の総括としては、下記のとおり記載されている。
経済財政運営に当たっては、国民の命と暮らしを守るため、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていく。
足元の物価高などの難局を乗り越え、日本経済を持続的な成長経路に乗せるための総合経済対策に取り組む。
そして、2022年度の実質GDP成長率は1.7%程度、名目GDP成長率は1.8%程度と見込まれている。 また、消費者物価変化率は、エネルギーおよび食料価格の上昇が影響し、3.0%程度の上昇率になるという。
主要業界別2023年の日本経済の見通し
自動車および自動車部品業界
自動車業界は、円安の恩恵で輸出需要は堅調であるものの、前年から続く半導体不足の収束時期が定まらない、生産ラインの増設といった設備投資の効果がすぐには表れない。
ということで、簡単には増産ができない状況が続くと予想されている。
実際、2022年の国内新車販売台数は前年比マイナス5.6%と、45年ぶりの低水準という結果となっている。
また、欧米の景気後退懸念や輸出を後押ししている円安が収束し始めることで、需要そのものが縮小するリスクも考えられる。
2023年も引き続きEVシフトが加速し、アメリカおよび中国のメーカーが市場を席巻している。
そこにどうやって国内の自動車メーカーが入っていくのか先が見えていないというのが現状だろう。
家電業界
円安による部材コストの高騰が商品に転嫁され、平均単価の上昇が進んでいる。
特に白物家電においては、共働き世代の増加に伴い、家事の負担軽減につながる大型で高機能製品の売れ行きが好調で、出荷額はプラスで推移している。
とはいえ、白物家電自体は成熟期を迎えており、買い替えのサイクルがひと段落した後は大幅な伸びは期待できない。
そのため、各メーカーでは、従来の白物家電に新たな付加価値をつけた製品の開発に力を入れている。
具体例としては、搭載されたカメラが撮影した映像をアプリで確認して在庫の管理を行えるといったIoTだ。
また、今後の家電を左右するポイントとなるのは、省エネルギーへの対応だ。
ロシアによるウクライナ侵攻は収束の目途が立たず、資源およびエネルギー価格の上昇による電力各社の値上げが喫緊の問題となっている。
そうした中で、長期的には省エネ製品の需要が高まってくることが予想され、各メーカーは開発を進めている状況だといえる。
コンビニエンスストアおよびスーパー業界
コンビニ業界は、売上高、店舗数ともに鈍化傾向であり、大手コンビニの戦略も変化の兆しが見らている。
新型コロナウィルス感染症の蔓延前までは、各社が競って店舗数の増加に重きを置き、市場を拡大させてきた。
この出店戦略は、多少の不採算店舗を抱えても、その商圏内にライバル社の店舗を進出させずシェアを独占するといった目的があった。
ところが、外出が抑制されたことで、元々の不採算店舗がさらに足を引っ張る形となってしまい、各社は不採算店舗の整理と既存店客単価の向上戦略へ舵を切ったのである。
また、新たな付加価値として、ラストワンマイルと呼ばれるサービスについても各社で競争が進んでいる。
LAWSONはUber Eatsと連携し、全国における導入店舗数を2023年2月末までに4,000店へ増やす目標を掲げている。
一方で、セブンイレブンは、すでにアメリカで先行導入した最短30分で届けるデリバリーサービス、7NOWを2024年までに全店舗に展開する予定だ。
スーパーマーケット業界では、大手と地場企業の優勝劣敗が鮮明になっている。
地場スーパーでは、物価高による仕入れ価格の上昇で価格転嫁を余儀なくされ、消費者の買い控えが進み、倒産する企業も現れ始めている。
大手スーパーマーケットは、安価なプライベートブランドを多数揃えており、消費者の低価格志向に応える態勢を取ることで競争力を維持している。
こうした中で、外資企業による地場スーパーの買収や食品スーパーの再編が起こるとも予想されている。
エネルギー業界
2022年は、世界中の国々がエネルギーに関する動向を注視する結果となった。
その要因は2022年2月 から始まったロシアによるウクライナ侵攻によるものが大きいだろう。
ロシアの化石燃料に依存していた多くの国が供給制限の影響を受け、エネルギー価格高騰に拍車がかかったからである。
日本国内ではこうした価格上昇への対応として、緊急避難的な燃料油価格激変緩和事業が行われるなど、国民生活や企業活動への影響が懸念された。
化石燃料を巡る混乱の中、脱炭素・再生エネルギーの活用が注目を浴びている。
東京都では、2025年4月から都内に新築される住宅へ太陽光パネルの設置を義務付ける条例が可決されるなど、官主導で化石燃料からの脱却を図っている。
一方で、太陽光パネルを設置する際に山林を切り開いた結果、土壌が脆弱になって土砂崩れを引き起こしたり、そもそも伐採で森林が破壊されている。
こういった環境への配慮という側面も持つ再生エネルギーが、結果として環境破壊に繋がってしまうというジレンマもある。
そのため、原発を再稼働させる議論も積極的に行われており、政府は2023年夏以降に、現在稼働中の10基に加え、7基を稼働させることを目標に定めた。
しかし、原子力規制委員会の審査や地元住民からの理解など、再稼働に向けたハードルは高く、現状のエネルギー需要を満たすための代替手段として、即時的な効果は薄い可能性が高い。
不動産業界
2022年はアメリカの住宅特需に起因する世界的な木材価格の高騰でウッドショックが起こり、資材供給が制約される状況が続いた。
2023年はウクライナ侵攻の影響でさらなる供給制約のリスクが想定され、影響が顕在化した場合の新設住宅着工数は、当初の84万戸から80万戸へ減少すると想定されている。
また、利上げによって住宅ローンの金利が上昇した場合は、新設住宅需要そのものに影響が出ることも予測される。
中長期的には、既存住宅を購入する、または現在の住宅をリフォームするといった世帯が増加するという予測だ。
...(本文末尾は文字数の都合で省略)


