Amazon 登場前後の本と雑誌の販売部数推移

長目飛耳(ちょうもくひじ) → 遠くの事をよく見る目と、よく聞くことのできる耳の意で、情報を収集し、物事を深く鋭く判断することや書籍のことをいう。
長目飛耳は、遠くの事をよく見る目と、よく聞くことのできる耳を意味する言葉だ。
遠くまで見通す目と、遠くまで聞こえる耳。
つまり、広く情報を収集し、物事を深く鋭く判断する能力を表している。
この言葉の由来は、中国の古典「孟子」に遡る。
「孟子曰く、大人者は、長目にして飛耳なり」という一節がある。
これは、「大人物は、遠くまで見通す目と、遠くまで聞こえる耳を持つ」という意味だ。
孟子は、理想的な人物像を描いたのだ。
長目飛耳は、この孟子の言葉から派生した言葉だと言われている。
日本では、書籍を意味する言葉としても使われるようになった。
広く情報を収集し、深い知識を持つための手段として、書籍が重視されたのだ。
長目飛耳の精神は、現代社会でも大切にされている。
情報があふれる時代だからこそ、広く情報を収集し、深く物事を見極める力が求められる。
しかし、皮肉なことに、書籍の売れ行きは年々悪化している。
特に、Amazonの登場は、出版業界に大きな影響を与えた。
オンラインでの書籍販売が当たり前になり、書店の売り上げは激減した。
加えて、電子書籍の普及も、印刷書籍の売れ行きを悪化させている。
YouTubeやNetflixなど、娯楽の選択肢が増えたことも、書籍離れに拍車をかけている。
かつては知識の宝庫と言われた書籍が、今や危機に瀕しているのだ。
長目飛耳の精神を守るためにも、書籍の未来を考えることが求められている。
Amazonの登場前後で、書籍や雑誌の販売部数がどう変化したのか。
そのデータを分析することが、出版業界の未来を考える上で欠かせない。
長目飛耳の視点から、書籍と出版業界の現状を見つめ直してみよう。
日本の書籍・雑誌販売の推移
日本の出版市場は、長らく世界有数の規模を誇ってきた。

しかし、近年は低迷が続いている。
出版科学研究所の調査によると、2010年の書籍・雑誌の推定販売金額は、1兆9,485億円だった。
それが、2020年には1兆3,047億円にまで落ち込んでいる。
実に、6,438億円も減少したのだ。
この減少傾向は、書籍と雑誌の両方に見られる。
書籍の推定販売金額は、2010年の9,865億円から、2020年には7,578億円に減少した。
雑誌に至っては、2010年の9,620億円から、2020年には5.469億円と、ほぼ半減している。
雑誌の落ち込みは特に深刻だ。
これらの数字は、出版不況の深刻さを物語っている。 ではなぜ、これほどまでに書籍や雑誌の売れ行きが悪化したのか。
最大の要因は、Amazonの登場だろう。
1995年にアメリカで創業したAmazonは、2000年に日本でのサービスを開始した。
当初は書籍販売がメインだったが、次第に品揃えを拡大し、今や「モノ」だけでなく「コト」も含めたあらゆる商品を取り扱うようになった。
Amazonの登場は、書籍販売の形を一変させた。
書店に足を運ばなくても、自宅にいながら書籍が買えるようになったのだ。
しかも、Amazonは圧倒的な品揃えと低価格を武器に、瞬く間に市場を席巻した。
多くの書店が、Amazonとの価格競争に敗れ、廃業に追い込まれた。
加えて、電子書籍の普及も、印刷書籍の売れ行きを悪化させた。
2010年代に入ると、KindleをはじめとするAmazonの電子書籍端末が広く普及した。
電子書籍は、印刷書籍よりも安価で、かさばらないという利点がある。
特に、文芸書や実用書など、活字中心の書籍は電子化が進んだ。
一方、雑誌は電子化の波に乗り遅れた。
雑誌は、紙の質感や写真のインパクトが重要な要素だ。
それを電子書籍で再現するのは難しい。
また、広告収入が主な収益源である雑誌は、電子化のメリットが少なかった。
結果として、雑誌は電子化の波に乗り遅れ、売れ行きが急激に悪化したのだ。
こうして見ると、Amazonの登場と電子書籍の普及が、出版不況の主な要因だったことがわかる。
特に2010年代は、その影響が顕著に表れた時期だったと言えるだろう。
世界の書籍・雑誌販売の推移
世界の出版市場も、日本と同様の傾向が見られる。

国際出版連合(IPA)の調査によると、2012年の世界の書籍・雑誌の売上高は、1,141億ドルだった。
それが、2020年には935億ドルにまで落ち込んでいる。
8年間で、206億ドルも減少したのだ。
ただし、国によって状況は異なる。
アメリカは、世界最大の出版市場だ。
2020年の書籍・雑誌の売上高は、253億ドルと、世界の27%を占めている。
しかし、アメリカでも出版不況の影響は避けられなかった。
2012年の売上高は、303億ドルだったのだ。
8年間で、50億ドルも減少している。
ヨーロッパも、出版不況に苦しんでいる。
ドイツは、ヨーロッパ最大の出版市場だ。
2020年の書籍・雑誌の売上高は、95億ドルだった。
しかし、2012年は107億ドルだった。
12億ドルの減少だ。
フランスやイギリスも、同様の傾向が見られる。
一方、中国は出版市場が拡大している数少ない国の1つだ。
2020年の書籍・雑誌の売上高は、104億ドルと、アメリカに次ぐ世界第2位の規模を誇る。
しかも、2012年の売上高は84億ドルだったのだ。
8年間で、20億ドルも増加している。
中国では、経済成長に伴って中間層が拡大し、教育熱が高まっている。
それが、出版市場の拡大につながっているのだ。
ただし、中国でもAmazonは存在感を増している。
2004年に中国でのサービスを開始したAmazonは、瞬く間に市場を席巻した。
今や、中国の電子書籍市場の70%以上をAmazonが占めていると言われている。
中国の出版社は、Amazonとの競争に苦戦を強いられているのだ。
このように、世界の出版市場は、総じて厳しい状況にある。
Amazonの登場と電子書籍の普及が、その主な要因だ。
ただし、国によって状況は異なる。
経済発展が著しい中国では、出版市場が拡大傾向にある。
出版社は、それぞれの国の状況に応じた戦略を立てる必要があるだろう。
出版社の対応
出版不況が深刻化する中、出版社はどのように対応しているのだろうか。
大きく分けて、3つの戦略が見られる。
1つ目は、電子書籍への対応だ。
多くの出版社が、印刷書籍と並行して電子書籍の販売に力を入れている。
特に、文芸書や実用書など、活字中心の書籍は電子化に適している。
出版社は、Amazonをはじめとする電子書籍ストアとの提携を進めている。
また、自社での電子書籍販売にも乗り出している。
講談社は、2010年に電子書籍ストア「講談社BOOK倶楽部」を立ち上げた。
小学館も、2012年に「小学館eコミックストア」を開設している。
出版社は、電子書籍を新たな収益源として位置づけているのだ。
2つ目は、書籍の高付加価値化だ。
出版社は、安売りされにくい高価格帯の書籍を増やしている。
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