応病与薬(おうびょうよやく)
→ 病に応じて薬を調合し患者に与えることや人の素質・能力などに応じて適切な指導をすること。
病や素質というワードは人のみならず、企業にも当てはまる言葉だ。
最近、よく訪れるエリアがあるのだが、そこで再認識しているのが、100円ショップのポテンシャルの高さである。
いついかなるときに行っても、レジを通す前に必ず人がいる。
そんな光景はなかなか見れるものではない。
ということで、100円ショップについて書いていこうと思う。
100円ショップ業界の現状と動向
2020〜2021年の100円ショップ業界の業界規模(主要対象企業4社の売上高の合計)は8,525億円。
市場規模を考える際に、そもそもの商品のメインが100円ということを考えると、その市場規模の大きさがわかる。
100円ショップ業界の過去の推移を見ると、2010年から2018年まで100円ショップ業界は増加傾向、2019年は横ばいで推移、2020年には増加に転じている。
2020年の大手100円ショップの売上高は、下記のとおりだ。
- ダイソー:5,262億円(前年比14.8%増)
- セリア:2,006億円(前年比10.6%増)
- キャンドゥ:730億円(前年比2.5%増)
- ワッツ:527億円(前年比2.7%増)
大手4社でほぼ市場を占めており、最近の傾向としては、日用品のイメージが強かった100円ショップから、かわいくてオシャレな商品が揃っているというものに変わりつつある。
差別化を図ったオリジナル商品も増えて、高見えと呼ばれる100円以上や高級な商品に見えるとして特に女性の需要が高まっている。
従来のターゲットであった主婦層のみならず、老若男女が訪れる場所になっている。
また、最近では日用品や食品に加え、DIY、メイク用品、季節のイベント商品、防災グッズなどにも人気が出ている。
そんな100円ショップ業界の大きな強みは、なんといっても不況に強いというところだ。
それを裏付けるのが、バブルがはじけた後、節約志向の高まりとともに急速に規模を拡大した過去があることである。
さらに、100円ショップ業界は広告費が抑えられる点もメリットだ。
100円ショップは女性を中心に人気が高く、多額の広告を出さなくても、テレビや雑誌が特集を組んだり、SNSで商品が自然と紹介されるなどのメリットがある。
近年では、訪日外国人や単身、高齢世帯のニーズの取り込みにも成功しており、100円ショップ業界は拡大を続けている。
商品のクオリティも年々上がっていることから、リピーターも多い。
一方で、不安材料としては、原材料費、物流費、人件費が増加するというところだ。
100円ショップに行く頻度と1回で使う金額
そんな100円ショップに行く頻度と1回で使う金額はどのくらいなのだろうか。
カジナビが主婦1,021人を対象とした調査結果が出ている。
アンケートに回答してくれたのは、20代が24%、30代が44%、40代が22%とのことである。
まず、100円ショップに行く頻度で、最も多かったのが月2〜3回という人が416人(約40%)となっている。
次に多かったのが、週1回の272人(約27%)、月1回の164人(約16%)ということで、上位3位で80%以上を占めるのだが、月1回は行っているということになる。
それから、どのくらいの金額を使うのかというアンケートに対しては、500〜1,000円という人が最も多く42%を占める。
次に多いのが、1,000〜1,500円の35%ということで、500〜1,500円を使うということで、4人に3人がこの範疇ということになる。
これだけを考えてみても本当にスゴいことなのだが、改めて100円ショップの中毒性というかポテンシャルを感じる。
というのも、アンケートは主婦層だが、前述したとおりもはや100円ショップは主婦層のみがターゲットではないからだ。
ポテンシャルの固まり100円ショップ
多くの人が100円ショップで思い浮かべるのは、DAISO(ダイソー)だろう。
インパクトのあるピンクの看板に吸い寄せられて買い物をしたことがないという人の方が少ないのではないだろうか。
そのクオリティも高く、これが100円かと思えるような商品が本当に多い印象だ。
そして、個人的にはPayPayが使えることが本当にありがたいと思う。
今は消費税が10%なので、1円単位の端数に関して気にすることはないけれども、それにしても10円単位での小銭が出ることがない。
おそらく、運営側も小銭の準備等の工数を考えた際に電子マネーを取り入れた方がいいという経営判断なのだろう。
こういったユーザビリティの高さがリピーターを獲得している理由だろう。
それから、DAISO(ダイソー)はInstagramなどのSNSの活用が非常に上手なことが見て取れる。
そのフォローワーは178万人と企業アカウントとしては、TOP15に入っている。
この活用が、広報やPRにお金をかけずに商品のクオリティを保つことができる秘訣の1つなのだと思う。
ダイソーは社風として、若い世代の声を多く取り入れるという。
そんな時代に合わせた経営が、業界No.1のシェア60%以上を獲得している。
まとめ
DAISO(ダイソー)は、stak社も拠点を置く広島の企業であることが誇らしい。
その創業は1972年で、1987年に100円ショップのダイソーの展開が始まる。
1991年に直営店1号店の高松店がオープンしていることから、2021年の今年でちょうど30周年ということになる。
2001年には台湾で海外初進出を果たしており、その後も海外展開を加速している。
海外でも間違いなく人気が出るだろうし、至るところでDAISOの看板を見たいと思う。
オンライン販売にも力を入れ始めていることもあり、今後もまだまだ大きくなることに本当に楽しみにしている。
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