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2022年6月15日 投稿:swing16o

化粧品の市場規模の推移と成長するメンズコスメ市場

傾国美女(けいこくのびじょ)
→ 国政を忘れ国を傾けるほどの美女、絶世の美女のこと。

美女というと、もちろん女性に対する褒め言葉になる。

今の時代、性別をわけることはもはやナンセンスなのだが、それでも世の中はまだまだ男性と女性というわけ方をされることが多い。

美に関しても同様で、女性をターゲットにした分野が圧倒的に多かったのに対して、ここ数年は男性市場が盛り上がっている。

そのことについては、過去にも書いているので、お時間のある人はこちらも是非見ていただきたい。

美意識の変化により急速に拡大しているメンズコスメ市場

今回は、メンズコスメ市場についてさらに掘り下げて書いていこうと思う。

2021年1月〜12月の各種化粧品統計

経済産業省が2022年2月15日に生産動態統計2021年12月確報値を発表した。

それを元に、2021年1~12月の化粧品の国内出荷金額を集計した結果、1兆3,471億9,442万円となり、前年比で約9%減という結果になっている。

2年前の2019年比では約23.5%減となる。

カテゴリ別に見ると下記のとおりだ。

  • 香水・オーデコロン:47億43万円(前年比107%)
  • 頭髪用化粧品:3,639億5,981万円(前年比98.4%)
  • 皮膚用化粧品:6,840億9,749万円(前年比88.6%)
  • 仕上用化粧品:2,181億4,487万円(前年比88.8%)
  • 特殊用途化粧品:762億9,181万円(前年比88.1%)

この結果を見れば一目瞭然だが、香水・オーデコロンを除く全てのカテゴリで前年を下回っていることがわかる。

2021年はコロナ禍で店舗など対面販売ルートが苦戦を強いられたこと、加えてマスク生活が日常化したことにより、口紅やチークなどのカラーメイクの買い控えが影響していると見られている。

国内化粧品市場は、2019年までは中国人をはじめとする訪日外国人を対象としたインバウンド需要を背景に大きく成長してきた。

ところが、新型コロナウイルスの影響でインバウンド需要が消滅した上、店舗の営業自粛や外出自粛を背景に、ここ2年は厳しい状況が続いているというのが現状だ。

一方で、輸入化粧品は前年比11%増と2年ぶりに大幅回復となっていることも注目しておきたい。

中でも、スキンケア(皮膚用化粧品)やメイク(仕上用化粧品)分野で、韓国コスメの台頭が目立っている傾向がある。

化粧品の国内市場推移について

ここからは化粧品の国内市場推移について書いていこう。

  • 2020年:2兆7,502億円(2019年比85.5%)
  • 2021年:2兆8,415億円(2020年比103.3%)

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響によりインバウンド需要が消失した。

それ以外にも、2020年4〜5月には緊急事態宣言が発出され百貨店や駅ビルなどの商業施設が休業を余儀なくされた。

消費者も外出自粛によりベース、ポイントメイク、クレンジング、サンスクリーンの使用機会が減少し、市場は前年比14.5%減となった。

それから、2021年は前年と比較して百貨店などの商業施設の営業状況が改善されている。

というのも、ワクチン接種が開始されたことから外出機会が増加しており、前年比3.3%増が見込まれている。

2022年以降はワクチン接種が進みコロナ禍での生活様式への順応が進むことで市場は徐々に回復に向かうという予測だ。

価格帯別化粧品市場

日本国内市場全体の市場は上述したとおりで、詳細は下記のとおりだ。

高価格帯

  • 2020年:8,463億円(2019年比80.3%)
  • 2021年:8,914億円(2020年比105.3%)

高価格帯は近年スキンケア、メイクアップで若年層の需要を取り込むなど、堅調に市場拡大してきていた。

ところが、2020年はインバウンド需要の消失や、主要チャネルである百貨店、化粧品店の休業を受け、前年を大きく下回る結果となった。

そして、景況悪化により低中価格帯へシフトする品目もあった。

一方で、おうち美容への関心の高まりによりスキンケアやヘアケアの予算を増やす消費者もみられ、新たな需要を取り込んでいる。

2021年は、まだインバウンド需要の回復は期待できないものの、ポイントメイクなど前年に大幅に縮小したカテゴリーが反動で伸長するため、市場は前年比3.3%増が見込まれるというわけだ。

中価格帯

  • 2020年:1兆743億円(2019年比87.6%)
  • 2021年:1兆1,026億円(2020年比102.6%)

中価格帯は2020年、在宅時間の増加により通販、いわゆるD2Cで実績を伸ばすブランドがみられた。

その他、景況悪化による高価格帯からのシフトや、スキンケアでは在宅時間の増加によりスキンケアステップを見直す消費者が増えた。

スペシャルケアの需要が高まったものの、制度品系マスブランドのインバウンド需要の消失により市場は縮小した。

2021年以降、市場は徐々に回復に向かうとみられている。

低価格帯

  • 2020年:6,410億円(2019年比86.9%)
  • 2021年:6,519億円(2020年比101.7%)

低価格帯は2020年、シートパックやサンスクリーンのインバウンド需要が消失した。

他にも、消費者のパーソナルユース志向が強まり、ヘアケアなどで中/高価格帯へのシフトが進んだことにより市場は前年比13.1%減となった。

一方で、マスク着用やストレスなどにより毛穴の開きやニキビなど肌悩みが生じやすい環境になったことで、低価格帯の中でもより高単価なスキンケア商品などは好調だった。

2021年以降、市場は微増で推移するとみられている。

注目されている市場

注目されている市場として、スキンケアの中で、オプションステップとして使用されるスポットケア、美容液、パックを対象とした市場がスペシャルケア市場だ。

  • 2020年:3,370億円(2019年比82.9%)
  • 2021年:3,519億円(2020年比104.4%)

スペシャルケアは近年、シワ改善効果効能のある医薬部外品による需要喚起やインバウンド需要の取り込みにより市場拡大してきた。

2020年はインバウンド需要の消失や百貨店、化粧品店の休業によりカウンセリングの機会が減少したことから実績を落とすブランドが多くみられ、市場は前年比二桁減となった。

一方で、在宅時間の増加によりスキンケアに時間をかける消費者が増えたことからブースターや、マスク着用やストレスなどによる毛穴の目立ちに対応した美容液ブランドが好調だった。

2021年はインバウンド需要の大きかったパックの需要回復は鈍いものの、スポットケアや美容液はオンラインカウンセリングの導入が進んでいる。

また、前年は不調であった美白訴求の商品も外出機会の増加に伴い需要が回復することから、市場拡大が予想されている。

メンズコスメ市場の推移

男性の化粧品市場は2016年からの5年間で111%に伸長しており、2020年も前年比104%とコロナ禍でも更なる盛り上がりを見せている。

シェービングは外出が減ったことにより、2020年は前年比93%と落ち込みましたが、基礎化粧品は前年比107%と拡大している。

この背景には通勤時間や飲み会にかけていた時間やお金をスキンケアに充てられるようになったり、オンライン会議中に自分の顔を見る機会が増え、スキンケアへの関心が増えたことが理由とされている。

基礎化粧品を買う男性の中には、女性用の商品を買っている人もいる。

その割合は、年代が若いほど多く、男性用のみ購入する人は10代では3割強、20代で約5割に留まっている。

30代が約6割、40代~60代では約7割と大多数の人が男性用のみを購入しているという結果が出ている。

少しずつ男性用の商品が増えてきたとはいえ、やはり、女性用基礎化粧品のラインナップの方が豊富だという傾向が強い。

その結果、情報に敏感な10〜20代は自分の悩みに応えてくれそうな化粧品を探した結果、女性用に行き着いたともいえるだろう。

実際の購入金額は、年間で3,000〜4,000円程度だというデータが取れている。

まとめ

個人的な考え方にはなるが、コロナ禍でNetflixを見る人が増えたということも、美容に関する意識が増えた理由の1つだと思っている。

その理由は韓国ドラマの影響だ。

言わずもがなだが、韓国といえば美容大国で、男性女性問わず、肌がキレイなタレントは圧倒的に多い。

男性タレントはイケメンというよりはキレイな人が多いという印象で、ここに影響された人も少なからずいると思っているということだ。

いずれにせよ、見た目の印象というのはとても大事なので、美に関しては興味がないよりはあった方がいいだろう。

 

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植田 振一郎 Twitter

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