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2022年5月12日 投稿:swing16o

マーケティングの新潮流として注目の音声SNSとライブコマース

空理空論(くうりくうろん)
→ 現実に即さない観念的な理論のことで、実情からかけ離れていて役に立たない考え。

バッサリと切られた格言だが、一方でこんな言葉を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。

人が空想できる全ての出来事は起こりうる現実である

そう、今や世界中で大人気となっているコミックである、ONE PIECE(ワンピース)の中に登場する言葉だ。

ONE PIECEの中では、物理学者ウィリー・ガロンの名言として書かれているが、実際はフランスのSF作家であるジュール・ヴェルヌの言葉だといわれている。

まあ、そんなうんちくはどうでもいいとして、対極にある言葉だ。

そして、個人的には後者の言葉の方が今の時代には合っていると思っている。

というのも、これもくり返し主張していることだが、時代に合わせて概念も変わる。

悪が善になることもあるし、非常識が常識になることもあるし、逆もまた然りだ。

そんなこんなで、また1つ注目を集めているマーケティングの潮流がある。

盛り上がる音声SNSとライブコマース

マーケティング分野で音声SNSが注目されている。

音声SNSと聞くと、2021年1〜2月にかけて爆発的にユーザを集めた、Clubhouse(クラブハウス)を思い浮かべる人もいるだろう。

Clubhouseを使うためにはInvitation(招待)がなければいけなくて、それも1人2人までしか出せないという当初の仕組みも相まって、次のSNSの中心になると多くの人が集まった。

YouTuberが地位を築いたことに出遅れを認めた芸能人たちもこぞって夜な夜な生配信をしていたのが懐かしい。

そのときの様子は下記にまとめてあるので、時間のある人はこちらも読んで欲しい。

異口同音(いくどうおん)

ところが、そのブームはあっという間に過ぎ去り、半年も続かなかったといっていい。

ということで、音声SNSは完全にオワコンだと思っている人も多いが、そんなことはないということを改めて知っておくといいだろう。

知っておくべき音声SNSとは?

SNSというと、Twitterはテキスト、Instagramは写真、TikTokは動画といった具合に視覚的な情報がコンテンツの大半を占めているのが実態だ。

一方で、音声SNSは読んで字のごとく、音声を主体としたサービスという位置づけだ。

そして、若年層の間でラジオやPodcastなどを聴く習慣が徐々に拡がっているという実態がある。

そんな音声を中心に展開しているサービスの中で注目したいのは、スマートフォンで収録した音声をそのまま配信して、誰でもインターネットラジオを開局できるサービスのVoicy(ボイシー)だ。

Voicyは、2021年に利用者が前年比の2倍となる1,300万人を超えている。

また、メディアの活用も活発化していて、50を超える媒体がチャンネルを開設して音声コンテンツを配信している。

もう1つの注目は、音声通話アプリのパラレルである。

パラレルも音声を主体としたSNSの一種で、利用者は雑談部屋をアプリ上に開設し、友人や知人同士で集まって会話ができる。

例えば、ゲーム仲間で集まって常時接続で会話をしながらゲームを楽しむといった使われ方をしている。

サービス開始から、約1年半でアジア圏でのダウンロード数が100万件を突破し、月の通話時間は4億分を超えるなど急速に利用が拡がっている。

知っておくべきライブコマースとは?

ライブコマースといえば、中国で爆発的に普及しているというイメージが強い人も多いだろう。

そして、中国とは対照的に日本では冬の時代が続いたサービスだという印象が強いというのが一般的な見解だろう。

実際、メルカリやBASEといった多くのECプラットフォームがライブコマース機能を相次いでリリースしたが、利用者が増えすにサービスを停止している。

ところが、このライブコマースに光が差し始めているという。

その理由は2つあり、1つ目の理由はライブ動画配信視聴が定着しつつあるということにある。

17LIVEはその代表例で、日本国内で1,000万件以上のダウンロード数となり、全世界で5,000万人を超える人が利用している。

また、DeNAが展開するライブ動画配信アプリのPococha(ポコチャ)もダウンロード数が255万を突破している。

より身近なところでは、Instagramでもライブ動画配信は、インスタライブとして人気を集めている。

こういったサービスが拡がることで、インフルエンサーや企業のライブ動画配信を視聴する習慣が根付きつつあるのである。

それから、2つ目の理由として配信をきっかけとした消費の拡大がある。

ライバーやインフルエンサーといった人々が市民権を得て、個人を中心とした経済圏が拡大している。

グッズ販売やD2Cブランドを展開するケースも多く、販売にはライブコマースがうってつけというわけだ。

アパレルブランドでインスタライブを活用して、販売を拡大しているところも珍しくない。

正確にいうと、Instagramにはショッピングカート機能がついていないのでライブコマースとはいえないが、大きくカテゴライズすれば、間違いなくライブコマースに包括されるだろう。

ライブコマースに参入している企業例

そんなマーケティングの新潮流として欠かせなくなってきているライブコマースに参入する企業も増えている。

一例を挙げていくと、まずは資生堂が2020年7月にライブコマースを本格的に開始した。

SHISEIDOブランドの旗艦店である、SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STOREのサイトでは、美容部員が化粧品を紹介し、利用方法を伝えるライブコマース動画を配信している。

当然、視聴者はECサイトでそのまま購入できるし、動画視聴者限定でクーポンを提供するなどの販促施策も実施している。

また、大手ECプラットフォームとしてライブコマースに参入したのが楽天グループだ。

楽天グループでは、2021年11月からECモールの楽天市場で、出店者がライブ動画を配信できる機能の本格提供を始めている。

これにより出店者は、楽天市場内の店舗ページで最大90分間のライブ動画配信を実施し、商品の紹介や販売が可能になった。

動画配信中は視聴者からリアルタイムにコメントや商品に関する質問を受け付けられるので、双方向でコミュニケーションを取ることで販売効率も上がるという。

それから、海外から新たなソリューションも参入している。

トランスコスモスは2022年3月15日、スウェーデンの動画ストリーミング事業を展開するバンブーザーと提携した。

バンブーザーが提供するライブコマースソリューションの国内展開を始めている。

導入企業は自社サイトで、ライブ動画の配信とECサイトを連動したライブコマースを実施できるというソリューションだ。

まとめ

日本ではなかなかライブコマースは定着してこなかった。

その理由はプラットフォームは準備できても、ライブ配信をきっかけとした消費が追いついていなかったという実態があったからだろう。

その流れが少しずつ変わってきていることは、しっかりと脳裏に焼き付けておいた方がいいだろう。

そして、このライブコマースというマーケティングの新潮流もまた、消費者の思考が検索からレコメンドに流れているということも改めて認識しておいた方がいい。

 

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植田 振一郎 Twitter

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